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好きな物に囲まれて、好きな事だけして生きていたい。

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狂ったように、本を買う。

そして、ひとまず積む。←

こんばんは。最近、溜めていた本を読んだ……のではなく、購入しました。朱羅です。

何故か夏の方が本を読む気になるのですが、何なんでしょうね。
アレか。ナツイチとかカドフェスとか、文庫は夏にフェアをするから、何かそういう機運になるのか。
純文学が読みたくなる夏。

ですが、今日は発売前から気になってた漫画を。
IMG_0624.jpg
武田一義さんの「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」です。
武田さんは「さよならタマちゃん」という漫画でデビューし、それがもうすんごい話題を呼んだんです。
この田舎の本屋でも、連日「さよならタマちゃんって漫画、ありますか?」と聞かれるほどです。相当な事です。一時的に品切れ状態になり、大変苦労した覚えがあります。
その後も「おやこっこ」が刊行されたりしたのですが、さよならタマちゃんほど、ウチの書店では聞かれなかったし、私も薄給なもんで、そうそう新ジャンルを開拓する訳にも行かず……
さよならタマちゃんを読んだ感想としては、心理描写がとても丁寧で、くどくなく、素直に心に響く作風だな、という印象でした。
なので、どんな風に戦争を描くんだろう?という単純な好奇心の方が大きかったです。

以下、感想とネタバレ。




凄かった……とそれ以外の感想がなかったです。
表紙を開くと、カラー写真と共にペリリュー島の簡単な説明。写真のチョイスも素晴らしい。
この写真だけを見ると、どんな凄惨な物語が始まるんだろう……やっぱり、戦争って恐ろしいものなんだって思うような漫画なんだろうな……と思います。
ですが、あれ?結構普通?という感じの始まり。塹壕掘ったりしてるのが普通かどうかは置いておいて、まぁ平和的と言えなくもない風景が続きます。
そして、主人公・田丸一等兵の非力な感じも、もう何か脱力する。表紙に描かれているのが田丸くんです。ね?非力で脱力系って感じでしょう?www
今まで読んだ戦争漫画が「特攻の島」とかだからか、余計にそう思うのかもしれないですが……

一話から、結構衝撃です。同期の小山くん、親父のように立派に死にたい!と言ってたけど、スコールで濡れた地面で滑って頭を打って死ぬという、何とも言えない最期。
何てこった……と読者も思う事でしょう。その後、上官に呼び出された田丸くん。何を言われるかと思いきや、
「俺は想像して物を書くのが苦手だから、お前を功績係に任命する」
「は?」
みたいな感じで、田丸くん、一等兵ですが、何やら仕事を頂く事に……
「小山はあんな最期を望んではいなかっただろう」
と上官。つまり、郷里の家族へ知らせる為の最期を作れという事だそうです。それが、功績係の仕事だと。
意味も解らないままに、小山くんの家族への手紙を書き終え、小山くんが話していた事と自分がやった事にハッとします。
読者としては、薄々感じていた嫌な予感が当たってしまったという後味の悪さがあり、可愛らしい三等身キャラ田丸くんに同情もしますが、どちらかと言うと、ギャップが凄まじく不気味さも感じます。
善意からの嘘ではあるかもしれないですが、それは本当に「良い事」なのか?というモヤッと感が……

その後も、戦闘シーンはあまりなく、蒸し風呂のような塹壕の中で息を潜めるような日常が描かれています。
これは、ドラマなんかでよくある、防空壕に非難したシーンと被りますね。多分、それ以上に辛いでしょうが。
で、唐突に三等身キャラが吹っ飛ぶシーンがぶっ込まれる。
三等身キャラだから、おもちゃみたいに見えるシーン。だからと言って、笑えるシーンではなく、おもちゃみたいに人が吹っ飛ぶ=命がいかに軽いか、という描写。
血みどろだから悲惨だ。という訳じゃない。命の軽さを伝えるのならば、このシーンが一番だと思います。
血みどろの戦友と固い握手を交わし……なんてシーンは美化され過ぎている。実際は、ペリリューのように、殆ど無意味に散った命の方が多いのかもしれません。

作中に、田丸くんが、星空を見上げるシーンや戦闘の途中、スコールの後に虹が掛かるシーンがあるのですが、その一コマが異常なまでに、現実を突き付けてくるようで、辛いんですが、私だけですか……
戦争してても星空は綺麗だし、戦闘の最中でもスコールの後に虹は掛かる。平和な日常と戦争が同居する中で、何が正常か解らなくなってしまいそうで恐ろしい。

戦闘中、敵兵を殺し損ねてしまった挙句に、敵兵の零した「ママ」の一言に気を取られてしまう田丸くん。
その一言に同じく気を取られ、むしろ囚われてしまったような同期・吉敷くん。
戦闘が一段落して、「耳にこびりついている」と言う吉敷くん。
新兵二人が直面する戦争の恐ろしさがひしひしと伝わってくるのがもう辛い。何でこんな可愛い三等身キャラなんだ!と意味の解らない怒りすら覚える。←
多分、三等身キャラだからこそ、余計に恐ろしく感じるのかもしれないし、このシーンって必要?ってシーンがあるからこそ、心情が伝わってくるのかもしれない。
そう考えると、とても考えて作られているんですね。

物凄くザックリとした感想ですが、読めば解ると思います。いい作品です。
凄惨なシーンを惨たらしく描いている訳ではないですが、惨い絵を見ている以上に気持ちが重くなる。
でも、肝心な部分がきちんと伝わってくる。
戦争とは何か。平和とは何か。戦争をしないから平和なのか。色んな事を考えさせられる、いい作品です。

特攻の島もいい作品ですよ。こちらも是非読んでいただきたい。
と言う事で、コミック担当になってから、毎年やっている戦争漫画企画を今年は早めにやっていたのですけど、色々あるものですね。
戦争は、文学の方を多少は読んでましたけど……自分が想像するとより一層惨くなるのを知っているので、サラリとしか読まないようにしているんです。(ホラーも惨く想像しすぎて、映画見る以上に怖くなってしまう性質)
漫画という、誰もが読める媒体だからこそ、もっと多くの人に読んで欲しいと思ってしまうのですが……
戦争ものって、やっぱり買っていくのはおじさんなんだよな……
もっと若い人に知って欲しいんだよな……と切ない気持ちになります。
「空母いぶき」も、本当は若い人に読んで欲しいんですけど……将来こうなったらどうしますか?って意味合いが大きいです。

本当は、武田さんの特設コーナー作りたい。
でも、作品があまり多くないので、大きな企画には出来ないかもしれない……けど、やりたい……と悩むくらいに、ペリリューもさよならタマちゃんもおやこっこも、いい作品です。
……本気でやりたいので、企画書でも作ろうかな。別に提出する訳じゃないけど。POPもディスプレイも考えて、一回本気で推してみようかな。と私をやる気にさせる作品です。次巻が一月に発売予定……待ちきれない……!

あと、三島衛里子さんのヨーソロー!!も一巻だけ買いました。ジャケ買いです。
普通に、戸澤さんがイケメンって、それだけの理由です。←
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